本文へスキップ

事業承継の基礎 — 会社を次の世代へつなぐために

最終更新: 2026-08-17

事業承継とは何か

事業承継とは、会社の経営を現在の経営者から後継者へ引き継ぐことです。引き継ぐものは社長の椅子だけではありません。株式などの資産、取引先や金融機関との信頼関係、従業員の雇用、そして経営者が長年培ってきた技術やノウハウまで、会社を形づくるすべてが対象になります。

日本では経営者の高齢化が進み、後継者が決まらないまま廃業を選ぶ会社が増えています。黒字であっても、引き継ぐ相手がいなければ事業は続けられません。事業承継は「いつか考えること」ではなく、会社の存続に直結する経営課題です。

承継先は大きく 3 つある

事業の引き継ぎ先は、大きく 3 つに分けられます。1 つめは子どもなどの親族に引き継ぐ「親族内承継」、2 つめは役員や従業員に引き継ぐ「従業員承継」、3 つめは社外の会社や個人に引き継ぐ「M&A(第三者承継)」です。

どの方法にも利点と注意点があります。親族内承継は関係者の理解を得やすい一方で、株式の移転にかかる税金への備えが必要です。従業員承継は事業への理解が深い人に任せられますが、株式を買い取る資金の確保が課題になりやすい方法です。M&A は後継者が身近にいなくても選べる方法として、近年利用が広がっています。

準備は 5〜10 年がかりで進める

事業承継の準備には、一般に 5〜10 年かかると言われます。後継者の育成、株式や資産の整理、取引先への説明など、時間をかけて進めるべきことが多いためです。特に後継者の育成は、実務の経験を積ませながら少しずつ権限を移していく必要があり、短期間では終わりません。

まずは自社の資産と株主構成を整理し、誰にどのような形で引き継ぐのかを家族や役員と話し合うことから始めましょう。早く動き始めるほど選べる方法が増え、納得のいく承継につながります。迷ったときは、商工会議所や事業承継・引継ぎ支援センターなどの公的な相談窓口も活用できます。